検査しまくっていたのにガンの発見が手遅れだった父を見てたので、何もかもが信じられなくなる。
一時期は、周りにいる人たちが、いつかは皆いなくなるんだ。
この人も、あの人も・・・・
そんな気分になった。
「あと5年も生きられるかしら」
と最近、弱気なことを口に出す家族。
家族もきっと同じ気持ちなのだろう。
「いつかはいなくなるんだ」
生きていてくれるだけで、経済的にも、精神的にも助かっている。
家族は、大ざっぱだけど家計簿の管理だけは頭を抱えながら、必死に電卓たたいている。
遺族年金は申請してからでるのに、4ヶ月はかかる。
通帳が凍結される前にお金を引き出しておいてよかった。
貯金がない人だったら、どうなっていたのだろう!?
今月の電気代の明細書を見ながら、電気会社に問い合わせると
「大きな家なんですね」とひと言。
準2世帯の大きな家。3人では広すぎる。
維持費が大変。
将来は狭いアパートに引っ越すことになるだろう。
「このコーヒーカップ将来どうする?」
「1個か2個は持っていきたいよね」
コーヒーカップを集めるのが、家族の趣味。
身ひとつで引っ越すのは、難しそうだ。
家族その1が
「ちぎりパンはもう焼けない」
家族
「ホームベーカリー持っていきな」
オーブンがなくても、ホームベーカリーでパンは焼ける。
パソコンでプリントアウトしながら、家族その1は言う。
「こんな大きなプリンター贅沢すぎる」
当たり前の贅沢がどんどんどんどん出てくる。
今の贅沢を今のうちに味わっておく。