★あーもんどさやの道しるべ★

劣等感でいっぱいだった人生。生き方を綴りたい。

内館牧子さん「すぐ死ぬんだから」の小説の感想☆

私はすっかり復活です。

今日は散歩がてら図書館に予約した本を取りに行き、恩田陸さん「密蜂と遠雷」、横山秀夫さん「ノースライト」の2冊借りてきました。

 

今日は、何日か前に読んだ本、内館牧子さん「すぐ死ぬんだから」の小説の感想を書きます。

 

この本は、主人公が78歳でそれでも見た目を磨く78歳には見えない外見に気を遣うかっこいい女性の話です。

 

読みながら、私は2.3度吹き出したシーンがあって面白い。感想はいっぱいあるけど、もし大切な人が亡くなったら、って言う話の視点から感想を書こうと思います。

 

 

残された者は、消えた相手を思い出しながらこの先の人生を生きていかなければならない。初めて出会った日から、死ぬまでの笑いの顔や怒り顔や言葉や・・・可愛いところがあった、いいヤツだった。あの時は、この時は・・・

 

 

私もずっとそう考えていました。故人のことをずっと思い続けていなければいけないと思っていました。

 

主人公の旦那さんがいきなり亡くなると言う内容なんですが、娘の苺(ペンネーム:ブラックベリー)が人生相談のブログをやっていて、悲しんでいるお母さんを励ます場面に相談者の相談をプリントアウトして見せてあげるプリントの内容。

 

「60代の主婦。子供2人は成人しています。去年、夫が亡くなりました。半年間は泣き暮らし、後追いしたいほど追い詰められました。とてもいい人だったのです。なのに今、一人でいることが幸せで幸せで、1周忌も子供に言われるまで忘れていました。思い出すことは滅多になく、自分の冷淡さに嫌気がさします。ブラックベリーさんはどう思われますか?」

 

との質問に苺(ブラックベリー)は答えるのです。

「半年も泣き暮らしたなら、充分です。おつりが来ます。一周忌を忘れたからってしょうがないですよ。この世は生きてる者の場所なんですから。

冷蔵庫のドアに「毎月、5 10日は思い出そう」と書いた紙を貼ったらどうですか?それでも忘れたら、次の日にまとめて思い出せばいいし、また忘れたら次の次の日でいいのです」と答えた相談内容です。

 

最初はなんて不謹慎なって思いましたが、読み続けているうちに、記憶がなくなるまで夫が亡くなったことを悩んでいる主人公よりも、元気でいきいき、若い人にも言われたら言い返す強い主人公の方が素敵に生きてると思えるようになりました。

 

色々事情があるのですが、折り紙を趣味にしていた旦那さんが丁寧に作品をとっておいたのでそれを個展にしようと考えていたのを色々な事情のため、「折り紙は1つ残らず水埋めにしてやった。今頃は火責めにあっているよ」と全部捨てるのです。

 

また別のシーンでは主人公の家族が亡くなった主人公の旦那さんのすごく大事にしていたシャツなどを「大切にしていたからって誰が着る?着ないなら役に立たないってこと。廃棄」といってどんどんすてる場面も印象的でした。

 

これもこれがいいと思うようになりました。この本を読んで私は、私の故人に対する思いが変わりました。

 

 

そしてすごくいいシーンがありました。

「俺、一緒に食っていってもいいかな?」

 

「一緒に食っていこうか?」という上からは言わない気配り。

家族が落ち込んでいたらこんな思いやりをつくってあげたいなと思いました。

 

 

 

大切な人がもし亡くなったら・・・・

 

おじいちゃんのおばあちゃんが亡くなることは今まであったけど、もっともっと身近な大切な人が亡くなったら、私は絶対泣き崩れない。

 

いつも通りラジオ体操をして、悲しくてもまた機械のように毎日のルーティーンをこなして立ち直ってみせる。そう思っています。